毎年9月の第3火曜日は、オランダで伝統的に国王がその年度の国会の開会を宣言する、オランダの政治にとってのお正月のような日。今年は9月20日に開催されました。毎年、王族が金の馬車に乗ってパレード、国王によるその年の国会の方針を示すスピーチ、そして予算案(の、おそらく一部)が入っている象徴的なブリーフケースの受け渡し…など、華々しいイベントが続きます。
オランダでは今年の春先から、イベントはほぼ全て解禁になっています。ロイヤルファミリーによるパレードも3年ぶりに行われ、昨年12月に18歳となり成人王族の仲間入りをした国王の長女アマリアも、国王のスピーチの場に同席して「デビュー」を果たしました。ただ、気候変動や緊迫する世界情勢、エネルギー危機など国民の生活に影を落とす近年の国内外をめぐる状況に言及する国王の表情は終始厳しめ。とにかく国民の健康と幸福を経済的に守るための、政治による具体的な対策の指針を示すとともに、「差別や争いをしている場合ではない」と、国民に調和と連帯を繰り返し訴えました。(詳しくはこちら:NOS Nieuws オランダ公共放送公式Youtube)
ちなみになぜ「火曜日」などという半端な曜日に行われるかと言うと、「月曜日にこのような重要な行事をすると、遠方からの参加者が前泊のために日曜出勤する必要に迫られるため」。もちろんこれは日曜日を安息日とするキリスト教の影響あってのことですが、宗教離れが進んだ現代においてもこの「週末に仕事をしなくとも済むように」というスケジューリングが固持されているのはオランダらしい気もします。逆に公式なパーティなどの夜の行事は、「金曜日の夜は既に週末だからみな家に帰って休むべきで、イベントといえど公式な予定を入れるべきではない」という理由でほとんど木曜日に行われます。
※画像は全てNOS Nieuws オランダ公共放送公式Youtubeより引用
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